不動産の査定額は当たる?3物件の査定価格と実際の売却価格を比較
不動産会社から「査定額3,000万円です」と言われたら、本当に3,000万円で売れるのでしょうか。
私も所有していた不動産を売却する際、実際に不動産会社から査定を取ったことがあります。
3物件を比べてみると、結果はかなり違いました。
査定1,039万円に対して1,230万円で売れた物件もあれば、査定3,974万円に対して3,950万円と、ほぼ査定どおりに売れた物件もあります。
実際の数字をまとめると、次のとおりです。
結論|査定額より191万円高く売れた物件もあった
| 物件 | 査定時期 | 査定額・成約予想 | 初回売出価格 | 売却時期 | 実際の売却価格 | 査定との差 |
| 1件目|学生向けワンルームマンション | 2022年9月 | 500万~800万円 | ― | 2024年11月 | 630万円 | 予想価格帯内 |
| 2件目|築浅ワンルームマンション | 2021年9月 | 1,039万円 | 1,280万円 | 2024年12月 | 1,230万円 | +191万円(+18.4%) |
| 3件目|新築ファミリーマンション | 2023年11月 | 3,974万円 | 4,100万円 | 2024年9月 | 3,950万円 | ▲24万円(▲0.6%) |
※査定時点と実際の売却時点には時間差があります。特に2件目は査定から売却まで約3年2か月空いているため、その間の不動産市況の変化なども価格差に影響した可能性があります。
3件を経験した私の結論は、「査定額=実際に売れる価格」ではない。ただし、売出価格を考える重要な参考材料にはなる、というものです。
そして査定額そのもの以上に、「なぜその金額になったのか」を見ることが大切だと感じています。
査定価格・売出価格・売却価格はそれぞれ別の数字
不動産を売るときには、似ているようで意味の違う3つの価格があります。
・査定価格:不動産会社が成約事例や周辺相場などから算出する参考価格
・売出価格:売主が実際に市場へ出すときに設定する価格
・売却価格(成約価格):買主との交渉を経て、最終的に売買が成立した価格
不動産会社から3,000万円と査定されたからといって、必ず3,000万円で売り出す必要はありません。
逆に、3,000万円で実際に売れることを保証する数字でもありません。
私が売却した3物件も、それぞれ違う結果になりました。
1件目|学生向けワンルームマンションは500万~800万円の予想に対して630万円で売却
1件目は、京都市内にある学生向けワンルームマンションです。
私はこの物件を2019年に600万円で購入しました。
2022年9月に取得した査定資料では、成約予想価格帯は500万円~800万円でした。
かなり幅があります。
その後、2024年11月に実際に売却した価格は630万円でした。
査定から売却までは約2年2か月空いていますが、結果としては査定資料の成約予想価格帯に収まりました。
売却時家賃48,000円から考えると、630万円は表面利回り約9.1%
この物件については、不動産会社の査定とは別に、私自身もある程度の価格感を持っていました。
理由は、入居者がいる状態で売却するオーナーチェンジ物件だったからです。
購入時の家賃は月5万円でしたが、売却時の家賃は月48,000円でした。
年間家賃にすると、48,000円 × 12か月=576,000円です。
仮に買主となる投資家が表面利回り10%を求めるなら、576,000円 ÷ 10%=576万円。
表面利回り9%なら、576,000円 ÷ 9%=640万円となります。
そのため私は、600万円前後から600万円台くらいが一つの目安になるのではないかと考えていました。
実際の売却価格は630万円。売却時家賃48,000円で計算すると、表面利回りは約9.1%です。
結果として、私が家賃と利回りから考えていた価格感にかなり近いところで売却できました。
投資用ワンルームの場合は買主も投資家になるため、私は周辺の売出価格だけでなく、売却時点の家賃と買主が求める利回りからも価格を見ることが重要だと感じました。
「売出価格650万円→成約520万円」という事例もあった
査定資料には、同じマンションの過去事例として、売出価格650万円 → 成約価格520万円という取引も掲載されていました。
これは、「売出価格=実際の売却価格ではない」ことが分かりやすい例です。
不動産サイトに650万円で掲載されていたとしても、それは売主が設定した価格です。
実際に買主との間で取引が成立した価格は520万円でした。
不動産の価格感を見るときは、売出価格だけでなく、可能であれば実際の成約事例を見ることも重要だと思います。

2件目|築浅ワンルームマンションは査定1,039万円→1,230万円で売却
3物件の中で、査定額と実際の売却価格の差が最も大きかったのが2件目の築浅ワンルームマンションです。
2021年9月30日に取った査定では、査定価格1,039万円でした。
この数字を見たとき、私は「こんなに安いはずはない」と感じました。
これは単なる感覚ではありません。
当時、周辺にある同じくらいの広さ・築年数のマンションと比較すると、1,039万円という査定額は安いと感じたためです。
私は1,200万円以上では売れるのではないかと考えていました。
そこで実際に売却活動を始めた際は、1,280万円で売り出しました。
最終的には2024年12月2日に、1,230万円で売却しました。
単純に査定額と比べると、+191万円。率にすると+約18.4%です。
ただし「査定より18%高く売れた」と単純には考えていない
ここは注意が必要です。
査定を取ったのは2021年9月。実際に売却したのは2024年12月です。
約3年2か月の時間差があります。
その間に不動産市況や周辺の取引価格が変化している可能性があるため、「査定会社が191万円安く見積もった」と単純に結論づけることはできません。
ただし、私自身は査定を受けた2021年の時点でも、周辺の同程度の広さ・築年数の物件と比較して、1,039万円は低いと考えていました。
また、私は当時、この査定について、表面利回りをかなり意識した価格なのではないかとも受け止めていました。
ただし、査定会社が実際にどの程度利回りを重視して算出したのかまでは確認していません。
ここはあくまで、私自身が査定書を見たときの受け止めです。
査定額は売却価格の「上限」ではなかった
この物件で私が学んだのは、査定額がその物件の売却価格の上限になるわけではない、ということです。
査定が1,039万円だったとしても、「この物件は1,039万円までしか価値がない」という意味ではありません。
私は周辺物件との比較も踏まえて自分なりの価格感を持ち、1,280万円から販売を始めました。
最終的には1,230万円で買主が見つかりました。
もちろん、査定から売却までの約3年間に起きた相場変化も含まれています。
それでも、査定額をそのまま答えと考えず、「なぜこの査定額になったのか」「周辺の似た物件と比べてどうなのか」まで確認することは重要だと感じました。

3件目|新築ファミリーマンションは査定3,974万円→3,950万円でほぼ一致
2件目とは対照的だったのが、3件目の新築ファミリーマンションです。
2023年11月18日に査定を取りました。
査定価格は3,974万円。査定書に記載されていた成約予想価格帯は3,800万円~4,170万円でした。
私は査定価格より少し高い4,100万円で売却活動を始めました。
しかし、4,100万円ではなかなか買い手が見つかりませんでした。
そこで3,990万円へ値下げ。
そのタイミングで買い付けが入り、2024年9月5日に3,950万円で売却しました。
査定から実際の売却までは約10か月です。
査定価格3,974万円との差は▲24万円。率にすると▲約0.6%でした。
「査定って結構当たるんだな」と感じた
この物件については、売却が終わったあと、「結構、査定の金額で当たってるんだな」と思いました。
売却までの流れは、査定3,974万円 → 4,100万円で売出 → なかなか売れない → 3,990万円へ値下げ → 3,950万円で売却、でした。
最初は査定より126万円高く売り出しましたが、その価格では買い手がつきませんでした。
価格を下げた結果、最終的には査定価格にかなり近い3,950万円で成約しました。
この物件については、「査定額より高く売り出しても、最終的には査定額付近で買い手が見つかることもある」という実例になりました。

3物件を売って分かった|査定額は「答え」ではなく判断材料
3物件を経験して、私は不動産会社の査定額を、「この金額で必ず売れるという答え」ではなく、「売出価格を考えるための重要な判断材料」だと考えるようになりました。
今回だけでも、成約予想500万~800万円の範囲内で売れた物件、査定額より191万円高く売れた物件、査定額との差が24万円しかなかった物件がありました。
だからこそ、査定を見るときは金額だけで判断しない方がよいと思っています。
私なら、どのような成約事例を使っているのか、周辺の似た物件はいくらなのか、投資用ならどの程度の利回りになるのか、その物件を最終的に誰が買うのか、といった査定価格の根拠も確認します。
査定額が高いから良い、低いから間違っている、という単純なものではないと思っています。
なお、実際に売れた価格がそのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料など、売却時にもまとまった費用がかかります。
私が不動産4件を売却したときに実際にかかった売却費用はこちらで公開しています。
複数社に査定を取れば「売れそうな価格帯」は見えやすくなると思う
私自身は、これらの物件について基本的に1社しか査定を取りませんでした。
ただ、今振り返ると、手続きや不動産会社とのやり取りがそれほど煩雑でなければ、複数社から査定を取る意味はあると思っています。
複数社に査定を依頼すれば、単に査定額を比較するだけでなく、参考にしている成約事例、周辺相場の見方、価格の根拠、想定している買主層などの違いを見ることができます。
重要なのは、一番高い査定額を出した会社を選べばよいわけではない、ということです。
査定額が高くても、その価格で買う人が見つからなければ売却は成立しません。
逆に査定額が低くても、その根拠を確認したうえで自分が納得できなければ、別の価格から売り出すこともできます。
複数社の査定内容を比較すれば、「この物件はだいたいどのくらいの価格帯なら売れそうか」という目安は、1社だけの場合より見えやすくなると思います。
不動産投資の視点から現在の物件価格を確認したい場合は、投資用不動産の査定に対応したサービスを利用する方法もあります。
※以下には広告(PR)を含みます。
まだ売却を決めていなくても、査定を取る方法はある
不動産を所有している人の中には、「今すぐ売るつもりはないけれど、現在いくらくらいになっているのかは知りたい」という人もいると思います。
そういう段階であれば、査定を取って価格感だけ確認する方法もあります。
私自身はこれまで基本的に1社で査定を取りましたが、3物件を売却した経験から、今なら複数の査定内容を比較してみる意味もあると考えています。
大切なのは、単に一番高い査定額を見るのではなく、その価格になった根拠や、どのような買主を想定しているのかまで確認することです。
不動産投資の視点から現在の物件価格を確認したい場合は、投資用不動産の査定に対応したサービスを利用する方法もあります。
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※広告・PRを含みます。査定結果は実際の売却価格を保証するものではありません。
まとめ|査定額より「なぜその価格なのか」を見る
私が売却した3物件では、1件目:成約予想500万~800万円 → 630万円、2件目:査定1,039万円 → 1,230万円、3件目:査定3,974万円 → 3,950万円、という結果になりました。
査定から売却までの期間も違うため、数字の差だけで査定の精度を判断することはできません。
私自身は、査定額を答えではなく売出価格を考える材料として使い、その金額になった根拠を見ることが大切だと考えています。
そして、実際に売却すると売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。
私が4物件を売却した際の仲介手数料やその他の費用についても、実際の数字を別の記事で公開しています。

※本記事は筆者自身の不動産売却経験を紹介するものです。査定価格や成約価格は、物件の状態、市況、売却時期、販売方法などによって異なります。

